「退職金が入ったけど、何にどれくらい使って、どのくらい残しておくべきか分からない」
そんな不安を抱える方は少なくありません。老後資金の要ともいえる退職金を、どう使い、いくら残しておくかは、その後の生活を大きく左右します。
本記事では、退職金の平均額から必要な老後資金の試算、活用法、そして「いくら残すのが妥当か?」について具体的に解説します。

退職金の平均額はいくら?自分の金額と比べてみよう
まずは基準を知るところから始めましょう。
厚生労働省の「就労条件総合調査(令和5年)」によると、大学卒の定年退職者の退職金平均額は以下の通りです。
- 【大企業(1000人以上)】約2,300万円
- 【中小企業(100人未満)】約1,000万〜1,500万円
公務員の場合は2,000万円前後が目安とされています。
これを見て「自分の退職金、少ないかも…」と思った方もいるかもしれません。しかし、退職金の金額だけに一喜一憂するのではなく、「そのお金をどう活かすか」がもっとも重要です。
老後に必要なお金はいくら?
次に、「老後にどれくらいお金が必要なのか?」を把握しましょう。
■モデルケース:夫婦ふたりの老後資金の目安
- 平均的な支出:月約27万円(総務省「家計調査」より)
- 公的年金収入:月約20万円
- 不足分:約7万円 × 12ヶ月 × 20年=1,680万円
加えて、
- 医療費・介護費用:約500万円〜1,000万円
- 住み替え・住宅のリフォーム:約300万〜500万円
- 娯楽・旅行・趣味など:約200万〜300万円
▶ 合計で2,500万〜3,500万円程度は必要とされます。
この金額はあくまで目安ですが、退職金はこの老後資金の重要な柱となるわけです。
「いくら残すべきか?」を考えるための3つの視点
1. 「65歳以降の生活資金」として最低1,500万円は確保したい
退職金の一部を住宅ローンの返済や子どもへの援助に使いたくなる気持ちは分かりますが、生活費の補填資金としては最低でも1,500万円程度は残しておくべきです。
公的年金だけでは足りない部分をカバーする“生活防衛資金”として、まずはここを死守しましょう。
2. 「緊急予備資金」は300万〜500万円残す
万一の入院や介護、家の修繕など、突発的な出費に備えた資金も必要です。これを生活費とは分けて確保しておくことで、運用資金や消費に手を出しすぎるリスクも抑えられます。
3. 「資産運用や夢への投資」は余裕資金で
「少しでも退職金を増やしたい」と思う方は、残したうちの一部を資産運用に回すのも一手です。ただし、全額を運用に回すのは非常に危険です。
資産運用に使うのは、生活費・予備資金を引いた「余裕資金」の中から。
おすすめは以下のような低リスク商品:
- 個人向け国債(変動10年)
- 退職金専用定期預金
- 債券型の投資信託(分散型)
退職金を使いすぎてしまう人の共通点
- 退職直後に気が大きくなり、高額な買い物をしてしまう
- 子どもへの援助や住宅ローン返済で一気に資金が減る
- 退職後の毎月の支出を把握していない
- 投資や副業に失敗して損失を出してしまう
「退職金が入ったから大丈夫」と思ってしまうと、あっという間に老後破綻への道を歩むことになります。
退職金の使い道を設計するときのポイント
- 支出の優先順位を明確にする(生活>医療・介護>運用・夢)
- 夫婦で話し合い、ライフプランを共有する
- プロのアドバイスを取り入れる(FPや税理士)
- 老後の家計収支シミュレーションをする
Excelやライフプランソフトを使って、実際に「年金+貯金+退職金で何年持つか?」を可視化しておくと安心です。
まとめ|退職金は「いくら残すべき?」から「どう使い分けるか」へ
退職金は一生に一度の大きなお金です。そして、その後の生活を支える重要な資産でもあります。
ポイントのおさらい:
- 老後生活費補填として1,500万円以上は残す
- 緊急予備資金は300〜500万円キープ
- 残りを運用・夢・援助に充てるのが理想的
「いくら残すか」よりも「どう分けて使うか」が、後悔しない老後をつくるカギです。今のうちに、家族や専門家と一緒に、退職金の使い道をしっかり設計しておきましょう。
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