はじめに:定年後の生活に広がる不安
「定年後、年金だけで本当に生活できるのだろうか?」 これは、定年が近づく50代後半〜60代の方々が必ず一度は考えるテーマです。現役時代は毎月の給与で家計を回していたものの、退職後は収入源が公的年金に限られてしまいます。しかも、ニュースでは「老後資金2000万円問題」などが取り沙汰され、不安を煽る情報も多い中、冷静に現実を把握することが大切です。
この記事では、定年後の収入と支出のバランスを見ながら、年金だけで生活するために必要な準備や工夫、そして生活防衛のためのヒントをわかりやすく解説します。

1. 年金だけで生活できる人とできない人の違い
■ 年金だけで生活できる人の特徴
- 住宅ローンが完済済み、もしくは持ち家で家賃負担がない
- 固定費が抑えられている(スマホや保険の見直し済)
- 無理のない生活レベルを維持している
- 健康状態が安定していて医療費が少ない
■ 年金だけでは生活が厳しい人の特徴
- 家賃などの固定支出が多い
- 持病や通院による医療費がかさんでいる
- 子どもの援助をしている(学費や仕送りなど)
- 老後もローンが残っている、貯金がない
生活できるかどうかは、もらえる年金額だけでなく、「支出をどれだけ抑えられるか」が大きく影響します。
2. 公的年金の平均受給額と現実
2024年の厚生労働省のデータによると、
- 国民年金(基礎年金)平均:約5万6,000円/月
- 厚生年金(夫婦2人世帯の場合)平均:約22万円/月
つまり、夫婦であれば約20〜22万円、単身の場合は10万円前後が平均的な年金収入です。これが老後の“収入の柱”になるわけですが、実際の生活費と比べてみるとどうでしょうか?
3. 老後の生活費はいくらかかる?
総務省の家計調査(高齢夫婦無職世帯)によると、1カ月の生活費は以下の通りです:
- 食費:約6万円
- 光熱・水道:約2万円
- 住居費:約1.3万円(持ち家の場合)
- 医療費:約1.5万円
- 交際費・娯楽費:約2.5万円
- その他雑費:約3万円
合計:約16〜18万円/月
つまり、夫婦で厚生年金を受給している世帯であれば、ギリギリ生活可能なレベルと言えます。しかし、突発的な医療費や冠婚葬祭などの出費を考えると、やはり余裕がないことがわかります。
4. 年金だけで暮らすための工夫と準備
■ 支出を見直す
- 携帯電話は格安SIMに変更
- 保険の整理:医療・死亡保険の過剰加入を見直す
- サブスクや定期購入の解約
■ 固定費を減らす
- 持ち家であってもリフォームより維持費削減を優先
- 車を手放すことで、ガソリン・保険・税金の節約に
■ 地域資源を活用する
- シルバーパスや福祉サービス、健康診断の無料化など、自治体の高齢者支援を積極活用
- 地域のコミュニティセンターで無料イベントや講座に参加
■ 少しだけ働く選択肢も
年金をもらいながら働く「在職老齢年金」制度を使えば、一定収入までは年金と給与の両方が得られます。シニア向けの短時間勤務や、得意分野を活かした副業も増えています。
5. 老後資金の不安を減らす心構え
年金だけで生活しようと考えると、不安や焦りばかりが先行してしまいがちです。しかし大切なのは、**「完璧な老後資金計画」ではなく、「柔軟な対応力」**です。
予期しない支出があっても慌てず対応するためには、少額でも良いので予備費(生活防衛資金)を用意しておくこと、そして必要に応じて働いたり支出を調整できる心の余裕が大切です。
おわりに:今できることを、今やる。
定年後、年金だけで生活することは「不可能ではない」が「誰にでも可能なことではない」と言えます。しかし、事前の準備と工夫次第で、現実的な老後生活は確実に近づきます。
生活費の見直し、医療や住宅の対策、そして必要に応じた収入確保。今のうちから備えておけば、「年金だけでも意外とやっていけるかもしれない」と思える日がきっと来るでしょう。
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