就活・転職活動では、履歴書や職務経歴書の内容だけでなく、面接中の言葉遣いやメールでのやり取りも評価の対象になります。特に、面接官との会話や日程調整メールで何気なく使っている敬語が、実はビジネスシーンでは不適切に受け取られることがあります。
その代表例が「了解しました」です。
普段の会話では自然に使われる言葉ですが、面接や採用担当者とのやり取りでは、ややカジュアルな印象を与える可能性があります。もちろん、一度使っただけで不採用になるとは限りません。しかし、就活・転職志望者にとって、言葉遣いは「社会人としての基本マナー」を伝える重要な要素です。
この記事では、面接で間違えやすい敬語や、「了解しました」の正しい言い換え、メール・面接中に使える自然な表現をわかりやすく解説します。

面接で「了解しました」はNGなのか?
結論から言うと、面接や採用担当者へのメールでは「了解しました」よりも、**「承知いたしました」や「かしこまりました」**を使う方が無難です。
「了解しました」は、意味としては「内容を理解しました」「わかりました」という表現です。間違った日本語ではありませんが、ビジネスシーンでは同僚や部下、比較的フラットな関係の相手に使われることが多い言葉です。
そのため、面接官や採用担当者など、目上の相手に対して使うと、少し軽い印象を与えてしまうことがあります。
たとえば、面接日程の連絡に対して、
「了解しました。当日はよろしくお願いします。」
と返信するよりも、
「承知いたしました。当日は何卒よろしくお願いいたします。」
と伝えた方が、より丁寧で社会人らしい印象になります。
就活・転職活動では、相手に不安を与えない表現を選ぶことが大切です。「この人は基本的なビジネスマナーを理解している」と感じてもらえる言葉遣いを意識しましょう。
「了解しました」の正しい言い換え
面接や採用メールで使いやすい言い換え表現は、主に以下の3つです。
| 避けたい表現 | おすすめの言い換え | 使用シーン |
|---|---|---|
| 了解しました | 承知いたしました | 日程確認、依頼への返信 |
| 了解しました | かしこまりました | 指示・案内を受けたとき |
| わかりました | 承知いたしました | 面接中の返答、メール返信 |
特に使いやすいのは「承知いたしました」です。メールでも面接中の会話でも使えるため、迷った場合はこの表現を選ぶとよいでしょう。
例文
面接日程の案内に返信する場合:
NG例
了解しました。
当日はよろしくお願いします。
OK例
ご連絡いただきありがとうございます。
ご提示いただいた日時にて、承知いたしました。
当日は何卒よろしくお願いいたします。
面接中に説明を受けた場合:
NG例
了解しました。
OK例
承知いたしました。ありがとうございます。
「承知いたしました」は、丁寧でありながら堅すぎないため、就活生にも転職希望者にも使いやすい表現です。
面接で間違えやすい敬語1:「御社」と「貴社」の使い分け
就活・転職活動でよく間違えやすいのが、「御社」と「貴社」の使い分けです。
基本的には、**話し言葉では「御社」、書き言葉では「貴社」**を使います。
面接中に企業のことを話す場合は「御社」を使い、メールや履歴書、職務経歴書では「貴社」を使うのが一般的です。
例文
面接中:
「御社の事業内容に魅力を感じ、応募いたしました。」
メール・書類:
「貴社の求人を拝見し、これまでの経験を活かせると考え応募いたしました。」
ただし、銀行の場合は「御行」、学校の場合は「貴校」、病院の場合は「貴院」など、組織によって表現が変わる場合もあります。応募先に合わせて使い分けると、より丁寧な印象になります。
面接で間違えやすい敬語2:「拝見させていただきました」
「拝見させていただきました」は、就活・転職メールや面接でよく見かける表現ですが、やや不自然な印象を与えることがあります。
「拝見する」自体が「見る」の謙譲語です。そのため、「させていただく」を重ねると、敬語が過剰に感じられる場合があります。
自然な表現にするなら、**「拝見いたしました」**で十分です。
例文
NG例
御社のホームページを拝見させていただきました。
OK例
御社のホームページを拝見いたしました。
OK例
貴社の求人情報を拝見し、応募いたしました。
敬語は丁寧にしようとするほど、長く複雑になりがちです。しかし、面接では「正しく、わかりやすく、自然に伝えること」が大切です。
面接で間違えやすい敬語3:「伺わせていただきます」
面接日程が決まった際に、「当日は御社に伺わせていただきます」と書く人も多いですが、これもやや回りくどい表現です。
「伺う」は「行く」の謙譲語なので、基本的には**「伺います」**で問題ありません。
例文
NG例
当日は御社に伺わせていただきます。
OK例
当日は御社に伺います。
より丁寧にするなら、
「当日は御社へ伺います。何卒よろしくお願いいたします。」
とすると自然です。
なお、「お伺いします」は二重敬語とされることもありますが、現代では広く使われている表現です。ただし、面接メールではシンプルに「伺います」と書く方がすっきりします。
面接で間違えやすい敬語4:「参考になりました」
面接中に会社説明や業務内容の説明を受けた際、「大変参考になりました」と言いたくなる場面があります。
しかし、「参考になりました」は、相手の説明を評価しているように聞こえることがあります。悪い表現ではありませんが、目上の相手に対しては少し注意が必要です。
より丁寧に伝えるなら、**「大変勉強になりました」や「理解が深まりました」**がおすすめです。
例文
NG例
本日のお話は大変参考になりました。
OK例
本日のお話を伺い、貴社の業務内容について理解が深まりました。
OK例
本日は貴重なお話をいただき、大変勉強になりました。
面接後のお礼メールでも、このような表現を使うと好印象につながります。
面接で間違えやすい敬語5:「大丈夫です」
面接中やメールで、日程や持ち物を確認されたときに「大丈夫です」と返す人は少なくありません。
ただし、「大丈夫です」は便利な表現である一方、意味があいまいです。「問題ありません」「可能です」「不要です」など、文脈によって受け取り方が変わります。
面接では、より具体的な表現に言い換えましょう。
例文
面接日程を確認された場合:
NG例
その日で大丈夫です。
OK例
ご提示いただいた日時で問題ございません。
持ち物について確認された場合:
NG例
履歴書は大丈夫です。
OK例
履歴書を持参いたします。
「大丈夫です」は日常会話では便利ですが、面接ではできるだけ具体的に伝えることが大切です。
面接で間違えやすい敬語6:「すみません」
面接中に聞き返したいときや、少し遅れてしまったときに「すみません」と言うことがあります。
もちろん完全に間違いではありませんが、ビジネスシーンでは**「申し訳ございません」や「恐れ入ります」**を使う方が丁寧です。
例文
聞き返す場合:
NG例
すみません、もう一度お願いします。
OK例
恐れ入りますが、もう一度お伺いしてもよろしいでしょうか。
謝罪する場合:
NG例
すみません、遅れました。
OK例
到着が遅れてしまい、誠に申し訳ございません。
面接では、謝罪の場面ほど丁寧な言葉選びが重要です。特に遅刻や提出物の不備がある場合は、「申し訳ございません」を使いましょう。
面接メールで使える敬語テンプレート
ここでは、就活・転職志望者がそのまま使いやすいメール例文を紹介します。
面接日程の返信メール
件名:Re: 面接日程のご連絡
株式会社〇〇
人事部 〇〇様
お世話になっております。
〇〇〇〇と申します。
面接日程のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。
ご提示いただきました下記日時にて、承知いたしました。
〇月〇日(〇)〇時〜
当日は何卒よろしくお願いいたします。
――――――――――
氏名
電話番号
メールアドレス
――――――――――
面接後のお礼メール
件名:本日の面接のお礼/〇〇〇〇
株式会社〇〇
人事部 〇〇様
お世話になっております。
本日面接のお時間をいただきました、〇〇〇〇です。
本日はご多忙の中、貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました。
お話を伺い、貴社の事業内容や募集職種への理解がより深まりました。
特に、〇〇についてのお話が印象に残っており、これまでの経験を活かして貢献したいという思いが一層強くなりました。
引き続き、何卒よろしくお願いいたします。
敬語より大切なのは「相手への配慮」
面接で正しい敬語を使うことは大切ですが、完璧な言葉遣いだけを意識しすぎる必要はありません。
採用担当者が見ているのは、単に言葉の正しさだけではなく、相手への配慮や誠実さです。
たとえば、以下のような対応は好印象につながります。
- メールの返信が早い
- 件名がわかりやすい
- 宛名を正しく書いている
- 誤字脱字が少ない
- お礼や謝罪を丁寧に伝えている
- 面接中に相手の話を最後まで聞いている
敬語は、相手を尊重するための手段です。難しい表現を無理に使うよりも、正確で自然な言葉を選ぶことが重要です。
面接前に確認したい敬語チェックリスト
面接前やメール送信前には、以下のポイントを確認しましょう。
- 「了解しました」ではなく「承知いたしました」を使っているか
- 話し言葉では「御社」、書き言葉では「貴社」を使っているか
- 「拝見させていただきました」など過剰な敬語になっていないか
- 「大丈夫です」など曖昧な表現を避けているか
- 謝罪では「申し訳ございません」を使っているか
- メールの宛名・件名・署名に不備がないか
- 文章が長くなりすぎていないか
- 誤字脱字がないか
このチェックをするだけでも、面接官や採用担当者に与える印象は大きく変わります。
まとめ:「了解しました」より「承知いたしました」で好印象に
「了解しました」は日常的によく使われる表現ですが、面接や採用担当者とのメールでは、ややカジュアルに感じられることがあります。就活・転職志望者の場合は、「承知いたしました」や「かしこまりました」を使う方が安心です。
また、「御社」と「貴社」の使い分け、「拝見いたしました」「伺います」「申し訳ございません」など、基本的な敬語を押さえておくことで、社会人としてのマナーを自然に伝えることができます。
面接では、言葉遣いだけで合否が決まるわけではありません。しかし、正しい敬語を使える人は、相手に安心感を与えます。自分の魅力や経験をしっかり伝えるためにも、まずは基本的な言葉遣いから整えていきましょう。
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